想い出模型の価値とは?建築模型ができるまでの過程も資産に

解体後に残したい実家の模型。そんな模型を想い出模型と呼んでいます。年に1~2棟だけですが作業配信必須でお受けしています。まだそんなにメジャーではありませんが、着実にその価値は認められていると感じています。ではなぜ、tecoではライブしかお受けしないのか?というお話をまとめました。

想い出模型

私の実家は2022年に解体されています。その時、私は模型を残しませんでした。実は私の父も素人レベルとは言え、模型を作る人だったからです。ところが、待てど暮らせど作ることはなく、気がつけば、入浴すらもままならなくなり、2025年末、施設に入所したのです。

いいわけですが、私は実家で暮らしたことがなく、実家の記憶もあまりありません。父が転勤族だったため、実家に行くことも年に1度ほどでした。もちろん、実家のある町のことも知りません。地元愛というものがなんなのかもよく分からない、そんな人間になってしまっていました。

ただ、2011年の東日本大震災を境に、実家を再現する模型依頼がたまに入るようになります。ほとんどが古い家だったために図面などありません。震災で流された家に至っては正面から撮影された写真が数枚と、親族が書かれた手描きのプランだけでした。それでもできる限り外観だけでも再現し、送り届けています。

思い出模型S=1/50

実際の外観模型 約S=1/50

想い出模型は、実家とは限りません。商店や保育園なども記念に製作することはあります。その都度、ご依頼主の要望に対して提案させて頂くなどして記憶の立体化をお手伝いしています。

見積もりに影響すること

建築模型には相場などあってないようなものです。いくつか見積もりを取って頂ければ分かるのですが、10万円前後で作ってくれる模型屋もいれば、非常に手の混んだ最低30万円という模型屋もいます。ですので、必ず、以下の点は抑えておくと良いかと思います。

  • 部屋の内部も作り込む
  • 天井も再現する
  • 各階、屋根は分解する
  • 窓ガラスは簡易でいい
  • 瓦屋根は立体ではなく印刷でいい
  • 手すりは組まずに簡易でいい
  • 庭が欲しい
  • 樹木が欲しい
  • 門扉が欲しい
  • カーポートが欲しい
  • アクリルケースが欲しい

など。

思い出模型S=1/50

中が簡易でも良い場合の想い出模型の例 S=1/50

更に、依頼する前から必要なものがあり、ないと見積もりすら取ってもらえないこともあるのでチェックしましょう。

  • 正確な図面がある
  • 改築前の図面がある
  • 図面とは言えない手書きのプランが有る
  • 外観の写真が揃っている
  • 内観の写真が揃っている
  • まだ解体前で写真は追加できる
  • Googleアースなどで上空からの画像がある
  • 期限を設けたい
  • 予算が決まっている
  • 飾る場所がある(模型サイズに影響)
  • 2つ欲しい

など

思い出模型S=1/50

情報が多ければ多いほど再現性が上がる想い出模型 S=1/50

情報があればあるほど、見積もりは安定して各社から送られてくるので、できる限り揃えましょう。

ライブ配信の価値とは?

もともと、youtuberという言葉ができる前、2011年頃から配信していました。当時は、制作過程をライブ配信というより、数分の作り方配信でしたので、ご依頼主と直接ライブでやり取りすることはありませんでした。

2015年頃から制作過程も視聴して頂く作業配信も行うようになり、チャンネル登録者数も12,000名を超えるようになりました。ただ、同時に、配信を邪魔したり、マイナス評価を押し続けたり、同業者の誹謗中傷的なコメントが残されるなどが増え始め、2021年にチャンネルを閉鎖しました。

翌、2022年には新たにチャンネルを立ち上げ、想い出模型のライブ配信も継続してお受けしています。

ライブ配信の価値とは、想い出の建物が徐々に形になっていく、ミニチュアとして再現されていく過程にも感動や愛着が生まれる点だと感じています。そして、製作する地元愛すら良く分からない私ですらも、その感動をおすそ分けしてもらっていることにも価値を感じています。だから、良からぬ視聴者が増えてきたチャンネルは閉鎖し、ご依頼主に降りかかる悪意の言葉を食い止めた形になります。

猫アレルギーの方は事前にご連絡ください

まとめ

現在、アプリ開発や郷土本プロジェクトも手掛けているため、模型製作は半減しています。そのため、お断りせざるを得ないこともあり心苦しいのですが、ご理解いただけたらと思います。アプリ開発も郷土本プロジェクトも、ないものを見える化、あるいは、眠っているものを起こすお仕事です。これからも記憶を形にしていくお仕事を続けていく次第です。