テコです。
この時期(年末まで1か月)になると、建築学生さんは卒業設計でフルスロットル状態に突入します。私も卒業設計を経験していますからよく分かります。模型職人になってからそんな年末のこの時期に腹が煮えくり返るような依頼を受けたことがあります。この事件をきっかけにコミュニティの運営を実現しようと模索し始めました。これからのオンラインサロンの在り方の一例として工務店さんや建築事務所さんに建築コミュニティ「もけると」の進捗具合をお伝えしつつ、2022年最初のチャレンジにして頂けたら嬉しいです。
もくじ
結論:助け合い+価値創出
結論からお話します。それは社長も社員も揃って「もけると」の住人になって、住人同士で「助け合い×価値創出」にチャレンジする姿を観察することです。この時点で興味のない方はページを閉じてください。ごめんなさい。時間を無駄にしてしまいます。
他のコミュニティと圧倒的に違う部分があります。他のコミュニティはおもに「ファンクラブ型」「スクール型」「プロジェクト型」「コミュニティ型」の4つに分類されます。「もけると」はすべての要素を持ちつつ、今まで捨ててしまっていたモノの価値創出が可能な未来貯金箱型コミュニティへと進化し始めています。価値がゼロだと思われていたモノをアートへと昇華させる小さな社会「ゼロ・エコノミー」を創っています。2022年が楽しみで仕方ありません。
発端:バカ親(建築家)の話
六本木のど真ん中。そこにバカ親の事務所がありました。紹介頂いたお仕事なので正直ワクワクしていました。が、まさかこんな依頼をされるなんて・・・
建築家「息子の卒業設計の模型を頼むよ」
テコ 「は?」
建築家「卒業後は結婚を控えていてね。」
テコ 「はぁ・・・」
建築家「そんな暇はないんだよ。図面はすべて部下が描いたからすぐ始めてくれ」
テコ「お断りします。息子さんにやらせたらどうです?」
と、まぁこんな会話でした。親バカならまだしも、これは質の悪いバカ親としか言いようがありません。この事件のせいでしばらく既得権益ってやつが目障りで仕方なくなりました。もちろん、紹介してくださった方とも音信不通。申し訳ないのですが、きっと不運なことになってしまっていたでしょう。
追求:原因究明よりも未来思考で
その後、一時的に仕事が激減しましたが、多分リーマンショックと時期が重なっていましたからバカ親建築家の仕業ではないでしょう。とはいえ、この事件をきっかけに卒業設計展というものを斜め45度で観るようになったのは正直なところです。
原因を追究しようとも思いましたが、分かったところで私一人にできることなんてありません。そんな時に読んだ社会経済学者ドラッカーさんの本のおかげで過去の原因究明より未来を良くする最適解を探すようになりました。
特徴:助け合いの根源はYoutube
私が助け合いのためのプラットフォームまたはコンテンツを作るきっかけになったのが右目のゆがみでした。中心性網膜症です。模型職人を続けられなくなる恐怖からいろんな資格を取得したり新しいビジネスに取り組んだりと迷走していました。そんな中、Youtubeチャンネルだけが迷走から抜け出すヒントになったのです。のちにチャンネルの動画だけでママ模型士が誕生し、「人の役に立つんだ」と実感したのが今のコミュニティ「もけると」の源流です。
どんなコミュニティかというと、例えば、模型職人が「もけると」の中で助け船を求める投稿をしました。翌日には助け船を引き受ける住人が見つかり、仕事の助け合いが成立しています。例えば、住人が気軽に参加できるコンテストの情報を投稿しました。その数日後、コンテストに応募する企画が立ち上がり面識のない4名の住人による作品をコンテストに提出できたのです。いずれも、できることとできないことを補い合うという理想的な助け合いです。
特徴:価値創出の根源はTVCM
10年以上もひた隠しにしてきたビジネスがあります。模型レンタルです。ある企画会社から「模型の貸し出しってないですよね」という控えめな問い合わせがあったんです。もちろんその当時はありませんでしたが、格安で制作し、結局買い取りとなってCMに使われました。これってビジネスになるよね・・・と思った私は空いた時間を利用してレンタル用の模型を何個もこしらえたのは言うまでもなく、専用のサイトも立ち上げたのです。
そのサイトをコミュニティでオープンにしました。2021年11月時点で古いサイトのままですが、ブラッシュアップして住人の作品で収益が生まれるアートシェアサイトにリニューアルする予定です。
実行:卒業設計のための貯金箱
助け合って情報を収集し何かを成し遂げるには「人と場所と費用と時間」が必要です。建築学生にとって卒業設計は1つ目のゴールとも言えますから、そこに「人と場所と費用と時間」を全面投下したいのは痛いほどわかります。そこで、「助け合い+価値創出」を利用して卒業設計に必要な「人と場所と費用と時間」をサポートできればと考えたのです。
「もけると」の住人になって、住人同士何気ない日常、例えば課題の相談に乗ってもらったり、模型のアイデアをアドバイスしてもらったり、誰かがコンペに参加したいと手を挙げたら一緒にその夢の実現のためにサポートする。そうしていくうちに「もけると」で助けてくれる人が増え、場所が確保され、費用を蓄え、時間にゆとりが生まれる貯金箱として役に立つはず。
まとめ:貯金箱としてのコミュニティ
具体的に言ってしまうと、課題で制作した模型をはじめ図面やCGパースには価値があります。それらを社会にシェアすることで収益化できれば、建築学生さんにとって「もけると」は卒業設計のための貯金箱になります。それだけではなく、人とのつながりを全国に持つことができ、助け合って夢を実現し合える場所にもなり得ます。というか、既にプロジェクト化しています。
まとめです。
工務店さんや建築事務所さんにとって、コミュニティは貯金箱である必要があります。これが現時点での最適解です。もし、あなたのコミュニティに未来のお施主が入会してくれたら、あなたも収益を生み、お施主も未来に備えられる仕組みを創れば無理のないコミュニケーションが未来永劫続くでしょう。貯金箱としてのコミュニティが地域の一部がちょっと良くなると幸いです。