テコです。
建築事務所や工務店など建築会社のWebマーケティングに役立つお話をします。小難しい専門用語が並ぶお話ではない(そもそもできない^^;)のでお気軽にお読みください。
以下のCM、ご覧になった方も多いと思います。中条あやみさん出演のPinterestのCMですね。何種類かバージョンがありますけれど、もし、Pinterestが日本でブレイクしたら建築業界でどれだけの威力を発揮するかを私のアカウントでサラッと解説したいと思います。
もくじ
Pinterestとは?
Instagramと比較
建築事務所や工務店が公式SNSを活用いて集客したい時、まず建築との相性を考えてみることが大事ですよね。以前、こんな実験をしました。同時に6種類のSNS(Pinterest、Twitter、Instagram、Facebook、LinkedIn、tumblr)を同じような投稿(模型写真)で半年間比較したんです。その結果を残していたわけではないので分かりづらくて申し訳ないですけど、最終的にアカウントを残したのはPinterest(ピンタレスト)でした。それ以外は・・・全部消してしまいました。理由は、
- 写真で第一印象を与えやすい
- 気軽にできる
- ストックできる
- 検索される
- 年齢層の違い
- 目的意識の違い
などが挙げられます。当時作成したPinterestアカウントは5年、最近始めた2つ目のアカウントは3か月半が経過しています。その2つの推移を後ほどグラフでご紹介しますが、まず、Pinterestとは何ぞや?を解説します。Instagram(インスタグラム)が比較に丁度良いので以下にまとめます。ぜひ、建築事務所や工務店に向いているのか、また家づくりを考える方々にとってどんなSNSなのか想像しながら読み進めてください。
伝達手段
PinterestはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の一種です。伝達手段は共に写真で、加えて文章やリンクを張ることも可能です。他のSNSではどんな伝達手段があるかというと、文字(Twitter)、動画(Youtube)、音声(Voicy)などが挙げられますが、スマホで撮影して気軽に共有できる理由から写真が最も多く使われる伝達手段ではないでしょうか。模型なら提案から検討、完成、プレゼントまで複数の投稿が可能です。写真は資産としてストックしマーケティング活用することも重要かと思います。
目的
Instagramは今を共有することに長けています。そのため、驚きや面白ネタを写真や動画に残して共有する楽しみ方が主流になっています。対して、Pinterestは過去を収集することに長けているため、イメージとしてはコルクボードに写真をピン止めしてファイリングする感じになります。例えば、将来の家づくりやリフォームのために雑誌で見つけたお気に入りのキッチン写真を切り抜きしてピン止めしておく使い方と一緒ですね。
男女比と年齢層
Instagramは女性が6.8割で9割が35歳以下と若い年齢層に人気なのに対して、Pinterestは女性が8割で約半数が35~54歳を占めています。どうやら男性の比率はどちらも低いようですね。実は、他のデータではもう少し男性の比率が多かったりするのですが、とりあえず女性が多いんだなぁ、と認識しておいて間違いなさそうです。建築事務所や工務店なら、主婦が家づくりのカギを握る点に違和感はないと思います。その点からも”35~54歳の女性”に人気のPinterestは新築一戸建てを考える世代と一致します。
利用者数
日本での利用者数を比べます。Instagramは4800万人(2021年7月)、Pinterestは870万人(2020年12月)とPinterestのほうが約5分の1とまだ大手SNSに比べると小規模です。ですが、アクティブユーザー数ともなるとInstagramは3300万人という統計もあります。積極的に利用するユーザー数、かつ同じ時期の統計で比較すればもっと差が縮まるのではないかと思います。
※以上の情報は、いまさら聞けないInstagram とPinterestの違いと、上手に使い分ける方法(株式会社イノーバ)を参考にしています。
大きなメリット4つ
テコが2つのアカウントを使ってきた結果、4つのメリットがあることが分かっています。というより、実は使う前から分かっていました。実際使ってみた感想も交えてご紹介します。
目的が未来志向
SNSを使う目的は人それぞれですけど、Instagramとの比較の際に挙げた”目的”は結構重要です。TwitterやInstagramはタイムラインの情報が流れてしまうため、過去のものとして埋もれてしまいがちです。SNS広告を活用したり、投稿を固定してトップ表示するなどありますけど、基本は埋もれて検索されないものと言えます。
ところで、”今”を投稿するためのSNS投稿の旬は”今”だけです。未来に向けた使い方が難しいとも言えます。TwitterもInstagramも保存したい写真は拡散できても便利な引出しに保存することには長けていないんです。対して、Pinterestは保存したい写真をまとめておくことができるため、いつでも見たい時に見ることができます。Pinterestは過去を保存するというより、未来のために保存すると言うことができるのです。伝達手段のお話で写真の切り抜きをストックするお話をしました。Pinterestなら全く同じことを家づくりのために行うことができるわけです。
Googleと相性抜群
意外とご存じの方が少ないのですが、InstagramはGoogle検索には引っかからないんです。Instagramにログインしているもの同士が情報のやり取りをするんですね。逆に言うと、テコのようにInstagramのアカウントを持っていない人たちには情報が届きません。自ら検索するユーザーは目的を達成するために行動しています。なので、Google検索と無縁のSNSは実は集客には向いていないのですが、皆さん、SNS広告を活用して小さな枠の中で客の取り合いをしているんです。PinterestならGoogleで検索されるのでアカウントがない人にも情報が届きます。GoogleやYahooの検索窓で「和室 モダン 黒」と検索してみた結果が下の画像です。もちろん、Instagramは結果には全く引っ掛かりません。また、クリックして閲覧された方は熱心なファンになる確率も高いですね。
写真に直リンク
Instagramの写真は直接リンクを張ることができません。そして、写真へのリンクを張ることもできません。例えば、テコのPinterestの写真は、https://pin.it/6eoGafIのようにリンクを張れば見てもらいたい写真が掲載されているPinterestの特定のページへジャンプしてもらうことが可能です。そして、逆にPinterestで見つけた写真をクリックすればリンク先へ直接ジャンプすることもできます。ちなみに、上記のリンク先は模型製作過程のタイムラプス(早送り)で、動画でも共有できます。(今回はPinterestの機能については触れていません)
アクセス解析つき
今のSNSには当たり前のようについているアクセス解析。TwitterもInsutagramももちろん利用可能です。年齢層、地域、男女別、興味のある写真など、マーケティングに関わる情報が分析可能でから集客にも役立ちます。Pinterestでアクセス解析を利用するには個人アカウントからビジネスアカウントに切り替える必要があります。とはいっても完全無料でかなりの情報を見ることができるので便利ですよ。もちろん建築事務所や工務店に在籍するWeb集客素人な社員でも分かりやすいグラフで表示されます。
新アカウントを分析
上のグラフはアカウントを開設した2021年9月6日から2021年12月21日の約3か月半のインプレッション数(ピンが Pinterest で表示された合計回数 ※ピン≒写真)の推移です。
- 毎日模型写真2枚と建築模型の作り方動画のサムネイルを1枚アップ
- 1か月目はインプレッション数0.9万/月
- 最初の2か月間は徐々に増加
- 3か月目からプチブレイク
- また徐々に上昇
- 3か月後のインプレッション数3.8万/月
記事を探すと私の10倍以上の伸び率の方もいらっしゃいました。扱う商品やネタで大きく異なるのは仕方ないのですが、実は、Pinterest本を電子出版している方よりテコのほうが良い伸び率なんです。建築模型というマニアックな分野なのにです。より需要が大きい家づくりに関する写真、例えば竣工後の可愛らしい子供部屋などのほうが断然良い伸び率をたたき出すのではないでしょうか。
旧アカウントを分析
上のグラフは2020年8月31日から2021年12月21日までのインプレッション数の推移です。不思議なグラフのように思われるかもしれませんが、その経緯は、
- 2020年2月まで放置(それでもインプレッション数7.5万/月をキープ)
- 2020年3月からガクンと下降(それでもインプレッション数1.7万/月をキープ)
- 2021年9月下旬から2~3日に1回だけ1枚の模型写真をアップ
- 3か月後の2021年12月13日に急上昇
- 1週間以上維持していることから1か月後はインプレッション数15万/月に到達!?
という状況です。新アカウントと違い、アップする写真の数が少なくてもインプレッション数は復活しやすいようです。逆に言うと、新アカウントもどこかの地点でブレイクするかもしれません。
小さなデメリット1つ
メリットが全くないわけではありません。が、現時点で言えることは1つだけ。アナリティクス(アクセス解析)を見るとわかるんですけど、日本ではPinterestがそれほど利用されているわけではありません。だから、国別の閲覧者数を割合で見てみると、新アカウントは日本の割合が48.6%、旧アカウントに至っては28.6%とまだ低いんです。この結果から言えるのは、
- 世界で勝負したい方は今日からでも始めてもらいたい!
- 国内で勝負したい方はPinterestがブレイクすることを祈る!
まとめ
ここまでお読み頂きありがとうございます。まとめというより、建築事務所や工務店は今すぐPinterestを始めよう!ただその一点です。今から始めれば2022年の年末には多くの潜在顧客が集まるアカウントになっていることでしょう。何より、まだブルーオーシャンといえるSNSですから期待は大きいはず。